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WEB マーケティング

公開日:2022.05.09 最終更新日:2022.06.29

脱Cookie時代における消費者心理と行動の重要性

お久しぶりです、アシスタントの白川です。
皆様どのようなゴールデンウィークを過ごしましたか?
久しぶりの旅行に行った!なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私の実家ではお風呂場の老朽化に伴ったリフォーム計画についての家族会議が開かれました。
(これで床のタイルをボンドでくっつける作業とさよならできます)

さて、私はWeb広告の運用に関わっているのですが、実は広告のターゲティングにいつも頭を悩ませます。
普段はクライアント様のご要望に応える、または今までの経験をもとに広告配信エリアやオーディエンスを設定します。
しかし本来は広告する前にターゲットとなるユーザーがどんな属性で、どのような行動をとって購入に至るのか、しっかりと考えることがとても大切になってきます。

過去の記事でWeb広告のターゲティングについてお話しておりますのでよろしければ…
Web広告のやさしい基礎知識 ~配信目的とターゲティング~

そして!なんといっても2023年にGoogleがサードパーティCookieの廃止を決定しています。
この廃止がきっかけでサードパーティCookieに依存しているリマーケティング広告は機能しなくなってしまうのです。
今までであれば設定しておけばデータを蓄積して、そのデータでより興味関心の強いユーザーにもう一度広告を配信する…といったことができていたのに…それも難しくなります。

なので!今更ではありますが今回は「購買の意思決定プロセスと購買行動モデル」について学んでCookieの廃止に備えていきましょう!

脱Cookie時代における消費者心理と行動の重要性

さて、消費者心理と行動のお話する前に、Cookie機能の規制について少しお話ししておきます。
消費者心理や行動と関係あるのか?という疑問はあると思うのですが、実はCookie機能の規制によって今後のWeb広告におけるターゲティング方法が大きく変化していきます。

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Cookieとは?

Cookieとはサイトに訪れたユーザーの情報を一時的にユーザーのブラウザに保存する仕組みで、Webサイトに残る「足跡」のような役割を担っています。

デジタル上で、特定の情報収集を目的に、人の行動やシステムの挙動、データの推移など追跡を行うことが可能であり、これをトラッキングといいます。
このトラッキングに用いられる技術の一つとして、Cookie(クッキー)による計測がある、というわけです。
そんなCookieの主な種類は下記の2つに分けられています。

・ファ-ストパーティーCookie … ユーザーが訪問しているWebサイトのドメインから直接発行されているCookie
・サードパーティCookie … 訪れたウェブサイト内でそのウェブサイト以外の場所から発行されるCookie

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サードパーティCookie廃止について

Web広告では、Webサイトなどで計測したユーザーの行動を配信に利用しているわけですが、Googleでは2023年にChromeでのサードパーティCookie廃止を予定しています。
Webサイトを離れた後のユーザーの行動を追跡するサードパーティCookieは個人のプライバシーの侵害につながるとの見方が広がり、Cookie規制の動きが広まっているのです。
※ちなみにファーストパーティCookieは規制対象ではありませんのでご安心ください!
ユーザー目線だと個人情報に関する規制は安心するなあ…というのが正直な感想なのですが、Webマーケティングに関わる人間からするとたまったものではないと思います。

特にリマーケティング広告はサードパーティCookieに依存しており、今までのように興味を持ってサイトを訪れたことのあるユーザーにもう一度広告を配信するといったドンピシャなターゲティングは今後難しくなっていきます。
また、インターネット上に蓄積された様々なユーザー情報データであるDMPというプラットフォームを活用し、サイト訪問にしたユーザーの年齢や属性、興味関心についてサードパーティCookieを利用し運用しているDSP広告も大きな影響を受けることになると思います。

ざっくり図で説明するとこんな感じ

新しい仕様によりターゲティング機能が維持されることになったとしても、ターゲティング広告の規制により現在行っているような「個人」に焦点をあてた広告は困難になります。

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今から脱Cookieに備えよう!

各媒体がサードパーティCookie規制へ対処していっています。
例えばGoogleはファインド広告やYouTube広告などcookieを必要としない広告の強化を行っていたり、Facebook広告はファーストパーティーCookie(クッキー)とサードパーティーCookie(クッキー)の両方を使っている広告サービスであったりします。

Cookieに依存しないためにも、自社のペルソナやカスタマージャーニーを改めて見直し、消費者から能動的に選ばれるための仕組みを作っていくことが重要になります。
ユーザーにWebサイトへの訪問者が誰で、どのような行動を取り、何を望んでいるのかをできるだけ解像度を上げて把握し、そのニーズに応えなければなりません。

そこで!企業目線で行っていたマーケティング活動を顧客目線に行えるようにするため「購買意思決定プロセス」と「購買行動モデル」への理解が必要となります。

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購買意思決定プロセスとは


皆さん、いつも何か「モノ」を買うときに何気なく行っていることありませんか?
我々消費者は通常、「モノ」の購入に至るまで様々な行動を行います。例えば情報収集や感情の動き、他製品との比較や評価などの心理的プロセスが段階的に行われるのです。
消費者が商品を知ってから購入に至るまでのこの一連の心理的なプロセスを「購買意思決定プロセス」といいます。
購買意思決定プロセスは大きく分けて5段階に分けられます。

 ①問題の認識
 ②情報の検索
 ③比較評価
 ④購買の決定
 ⑤購買後の評価

 

これを我が家で計画しているお風呂リフォームに当てはめるとこんな感じ…

①問題の認識→築20年以上のマンションで、お風呂場の床のタイルが剥がれるなど全体的に古くなった
②情報の検索→今どんなお風呂場がある?どんな会社さんがあるのか検索
③比較評価→多様なメーカーや施工会社さんを比較する
④購買の決定→このメーカーのお風呂をこの施工会社さんでお願いしたい!
⑤購買後の評価→お風呂を実際使ってみての感想

不備や不満を感じていたから別のものがないか、新しくできないのか検討し始めました。しかも最近同じマンションの知り合いのお宅がお風呂リフォームしたことで、やるぞ!という気持ちが高まったわけです。

こんな感じで、消費者は購入までに様々なことを考え、行動しています。
ですので、何か「モノ」をつくる・売る・広告する場合は消費者心理を理解して行う必要があるのです。

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購買行動モデルについて理解しよう


ここからは実際に問題の認識に至った消費者が、サービスに気付いてからどのような行動をとるのかという「購買行動モデル」を見ていこうと思います。
広告活動にも密接に関わってくるので要チェックです!

*ちなみに前項でお話ししました「購買意思決定プロセス」と「購買行動モデル」はよく似ていますが合致するものではないそうです。
ただ両方とも販促活動に関わる重要なことですので、併せて理解しておく方がいいかなと思います!

消費者の購買行動はパターンによっていくつかモデルに分けられ、整理されています。

時代の流れに伴い、我々消費者の考え方が変化したことによって購買行動のモデルの形も変えていっているようで、本当にたくさんの購買行動モデルがあります。
(調べただけでも10個以上ありました…今後も増えていきそう…)
その中でも聞いたことあるような…?というものをいくつかピックアップしてみました!

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基本的な購買行動モデル:AIDMA

AIDMA(アイドマ)は基本的な購買行動モデルといわれています。
興味を持ってもらった商品やサービスを消費者に忘れられてしまわないよう、消費者に対し商品・サービスを強く印象付けるかが重要視されます。

Attention(注意・認知)・・・CMやカタログ、店頭などで商品・サービスを知る
Interest(興味・関心)・・・消費者が商品に対して興味を持つ
Desire(欲求)・・・消費者が商品を欲する
Memory(記憶)・・・消費者が商品を覚える
Action(行動)・・・消費者が商品を購入する

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Web時代の購買行動モデル:AISAS

AISAS(アイサス)の大きな特徴は「検索」や「シェア」といった、インターネット特有の購買行動が含まれていることです。
インターネットの普及によって、消費者は商品に関する情報を自ら収集できるようになり、また情報を発信する立場にもなりました。

Attention(注意・認知)・・・CMやカタログ、店頭などで商品・サービスを知る
Interest(興味・関心)・・・消費者が商品に対して興味を持つ
Search(検索)・・・消費者が商品やサービスについての情報を検索する
Action(行動)・・・消費者が商品を購入する
Share(共有)・・・消費者がSNSなどに口コミやレビューを投稿し、情報を共有する

このモデルは私のようなWeb広告に関わる人間だと身近に感じる購買行動モデルなのではないでしょうか。
認知の段階と興味関心段階のユーザーを次の段階へ引き上げるための広告を配信するなど…
消費者心理の理解がWeb広告を配信するうえでも重要であることがよくわかりますね。

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SNS時代の消費行動モデル:SIPS

これまで紹介したモデルとは異なり、SIPS(シップス)は商品の購入だけが目的ではないことや「共感」からはじまることが大きな特徴で、企業ではなく消費者が情報拡散を担うことにより、信頼度が増しより共感が得やすくなります。

Sympathize(共感)・・・消費者がtwitterやInstagramなどのソーシャルメディアで共感できる情報を見つける
Identify(確認)・・・消費者が共感した商品について検索し情報を確認する
Participate(参加)・・・消費者が購買に至らなくても共感した商品について、リツイートやシェアなどで他人に勧めるという行動で参加する
Share&Spread(共有・拡散)・・・消費者がソーシャルメディアでお互いの情報を共有し、その情報がさらに別の消費者によって拡散されていく

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Googleが提唱しているWebマーケティング理論:ZMOT

ZMOT(ジーモット)とは、「Zero Moment Of Truth」の頭文字を取ったもので、消費者が店舗に来店する前に、何を購入するかを決めているという購買行動モデルです。
2011年にGoogleから提唱されましたモデルですが、スマートフォンの普及によりZMOTの理論も存在感が高まっているようです。ZMOTにおいて、店舗やサイト上で商品やサービスを購入するという「最終的な目的」は従来のモデルとは変わりません。
スマートフォンやタブレットの普及により、欲しいものがあった場合すぐにネットで検索し、クチコミサイトのレビューを確認したり、SNS上での友人からの意見などに触れたりする機会も増え、商品の下調べがより気軽で身近になりました。
従来型のマーケティングモデルでは、メーカーや販売店が相手一人と対話する形で売り込みをしますが、インターネットではメーカーや販売店だけでなく、消費者も商品やサービスの情報を共有・拡散します。つまり、一人に対して多くの情報提供者が存在する状態です。そのため、ZMOTを意識したマーケティング展開をするためには、いかにオンラインで自社のホームページや広告を閲覧してもらうかが重要になります。

情報の溢れる現代だからこそ、検索方法も比較方法も興味関心の持ち方も多様化しています。
また時代の流れだけでなく、扱う商材や顧客層などによって当てはめるモデルも違いますので、注意して販促活動を行っていきましょう。

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不動産ってどのモデル?


基本的な購買行動モデルを紹介してきましたが、不動産関係はどのモデルになるのかな?と思いますよね。(私も大いに興味があります…)
正直AIDMAもAISASもしっくりこない…なんて思ったり…

住宅は人生で最も高い買い物などと言われるほど高価な買い物。消費者が購入したいものやメーカーについて積極的に調べ、商品理解を深めてもらう段階が必要になります。

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コンテンツの配信に適している消費者行動モデル:DECAX

そんな不動産業界における消費者行動モデルはDECAX(デキャックス)が当てはめやすいのではないでしょうか。

DECAX(デキャックス)の5つのフェーズは以下になります。

Discovery(発見)・・・CMやニュースサイトの記事などで商品・サービスを知る
Engage(関係)・・・商品その売り手を調べるなど、買い手と売り手の「関係」が深まる
Check(確認)・・・関係が深まったら、その商品や売り手について詳しく「確認」する
Action(購買)・・・「関係」と「確認」の結果、自分が欲しい商品だったら「購入」する
Experience(体験と共有)・・・レビューへの記入や、SNSへの投稿など、購入体験を「共有」する

 

DECAXモデルは企業側がコンテンツを発信し、消費者に商品を「発見」してもらうことから始まり、体験した消費者による「共有」が行われている点がポイントになります。
また、消費者と関係性を築いて、商品理解を深めてもらう所謂「ナーチャリング(顧客育成)」というフェーズがあるのも不動産業界に当てはまるのではないでしょうか。

そしてこの購買行動モデルは消費者が主導で動くため、このモデルの消費者を獲得するためには「信用できる高品質なコンテンツ」が必要不可欠になる、ということが大きな特徴です。

5つのフェーズをよく見ると…

・コンテンツを発見する
・コンテンツや販売元を調べて関係性を深める
・信用できるコンテンツかチェックする
・購入して共有する

といった形で消費者が能動的に動いていることがわかります。
そのため企業側に求められるのは『消費者が探しやすいコンテンツ』『消費者が求めている高品質なコンテンツ』『消費者が共感してくれるコンテンツ』を発信していくことが重要になります。

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【おまけ】消費者行動の実例

冒頭でもお話しした通り、都合よく実家が(お風呂場と洗面所の)リフォーム計画中なのでリアルな消費者行動をお届けします!

Discovery(発見)・・・同じマンションの知人がお風呂場リフォームしたことを知る
Engage(関係)・・・知人のリフォームしたお風呂場を見せてもらう・メーカーをネットで調べる・実際に業者さんと面談する
Check(確認)・・・見積などを元に、もう一度ネットやカタログを確認・近所のお店に実物が展示してあるため確認に行く
Action(購買)・・・「関係」と「確認」の結果、次回の面談で施工日を決定する(実際に購入)。
Experience(体験と共有)・・・実際に使ってみての感想

こんな感じです!
実際にリフォームをお願いすると決めてからも、壁や床はカタログの色味ではイメージしにくいので、実物を確認しに行くなど、消費者主導で関係構築と確認がしっかりと行われていました。なので、不動産に関わるものは、やはりDECAXモデルに近い動きをしているなと感じました!

今回はリフォームでしたが、マイホームを建てる!という場合、もっと業者さんを比較し関係性を築いて、何度も確認作業を行うのではないのでしょうか。
そんな消費者の決定を後押すためにも、企業側が消費者に選んでもらえるようコンテンツを発信していくことが重要です。

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広告をする前に ~カスタマージャーニーマップを作成しよう~


さて、消費者の購買意思決定プロセスと購買行動モデルについて理解したけど、それをWebマーケティングにどう活かしていけばいいのでしょうか。
繰り返しになりますが、サードパーティCookieの廃止に伴い、ターゲティング広告の規制により「個人」に焦点をあてた広告が難しくなります。
そこで、今以上に顧客目線のマーケティング活動が必要になってくるわけですが、それを解決するのが「カスタマージャーニーマップ」の作成です。

カスタマージャーニーとは、顧客の購買に至るまでのプロセスを指します。
日本語に直訳すると「顧客の旅」となり、顧客がどのように行動して購買に至るのかという道のりを旅に例えて表現しています。また、その行動や心理を時系列に並べて見える化したものを「カスタマージャーニーマップ」というのです。
先程紹介した購買意思決定プロセスと購買行動モデルはペルソナ設定とカスタマージャーニーマップ作成時に活かすことができます。

*カスタマージャーニーマップ作成方法の詳細については過去の記事にて紹介しています!
どこよりも簡単な「カスタマージャーニーマップ」の作り方

基本的な消費者心理・行動を理解したら、自社の顧客の行動・思考・感情はどれに当てはまるのかカスタマージャーニーマップで整理し、効果的な施策を社内全体で打ち出していく、といった流れをきちんとやることで、悩まず広告ターゲットを決定できます!

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まとめ:ターゲットや広告手法に迷った時はご相談下さい!

今回は消費者の心理と行動についてお話ししました。
我々消費者はモノを購入するまでに様々な行動をするわけですが、プロセス通りの動きをしない場合もあります。
例えば、比較検討段階に入ったとしても決めきれずにまた検索段階に戻ることもあり得るのです。
また、消費者はモノが欲しい、どこか行きたいと思い、いろいろと調べたり考えたりしますが、途中で購入することをやめてしまうこともあります。
そんな不安定な消費者心理を考慮した、戦略的な販促活動(広告活動)が必要になるのです。

売りたい商品はあるけど、どのようなターゲットにどんな広告をしたらいいのかわからない!とお困りの企業様、ぜひ一度アドコミにご連絡ください!

また、アドコミは不動産業専門マーケティングDX支援メディア「Adrans:アドランス」を立ち上げました!
不動産広告専門のアドコミの強みを活かし、不動産会社様にとってのお役立ち情報を提供するメディアとなっております。
消費者行動に合わせて情報発信を行いたい!と思っている皆様にご活用いただけるよう、Adransでは「認知度UP」「顧客管理」などフェーズ分けをしてコンテンツを発信しておりますので、そちらもご参考いただければと思います。

不動産業専門マーケティングDX支援メディア [Adrans アドランス]

アドランスの公式Instagramも登場!関西の地域情報を発信しています!

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