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不動産広告

公開日:2022.04.06 最終更新日:2022.07.15

不動産専門オウンドメディア立ち上げに至るまでの苦悩と奮闘

皆様こんにちは、アドコミ代表の中原です。今回は久々の投稿になります。

テーマは、アナログ(オフライン)広告がメイン商材であった弊社が、コロナ禍で売上が下降する中、自社の課題解決に向けたDX化の取組みとして、自社のオウンドメディア[Adrans:アドランス]の立ち上げに至るまでの苦悩と奮闘を恥を忍んでご紹介させていただきたいと思います。

我々の様にDX化でお悩みを抱えている企業様の一助になればと願う次第です。
オウンドメディア立ち上げの経緯・ビジョンについては以前こちらでも寄稿しております。ぜひご一読ください

【過去記事】【不動産事業者様向け】今さら聞けない不動産テックとは

1. コロナ禍に於ける苦悩とDX化の必要性

2020年1月頃、日本に新型コロナウイルスが上陸しました。当時は2019年の消費税増税の余波で、消費は下降線を辿り、景気の下振れを感じながら、売上の立て直しに躍起になっている頃でした。

当時の不動産業界も集客については、宅配チラシを中心としたオフライン集客が主流でしたが、数年前より集客の柱になりつつあるWEB広告等のオンライン集客が業務の中心に移行する中、時代の変遷を感じながらクライアントワークに携わっていました。

そんな中、新型コロナウイルスが猛威を振るい、幾度の緊急事態宣言発令による広告自粛、計画しては立ち消えるアウター集客のキャンセル等により、売上はジリジリと下降線を辿り、営業利益を大幅に切り崩す結果となっていました。

アフターコロナに思いを馳せながら、悶々とした日々を送っていましたが、一行に上向かない景気に苛立ちを感じながら、危機感を持ち始めた2021年は新たな事業を模索する時期でもありました。

このまま事業が縮小する事は、会社存続の危機を招きかねない状況に、焦りと不安に苛まれながら、日々眠れぬ時間だけが過ぎていました。早急に「弊社の強みを活かして、成長出来る新事業」を生み出さなければならないと。

この時期の私は創業以来、初めて書籍を読み漁り、動画等で情報収集し、セミナーを数多く受講しながら弊社の既存事業と真剣に向き合い、悩み考えていた時期でもあります。ストレスで、激太りし、髪が薄くなったのもこの時期でしょうかw

弊社の直面する経営課題は明確でした。

  • 1.顧客の集客チャンネルの多様化による顧客単価の減少。
  • 2.コロナ禍の対面営業の制限に伴う売上の減少。
  • 3.キャリア格差による若手営業マンの売上の伸び悩み。

 
上記課題に対する方向性を模索する中で、下記の改善案が浮上しました。

  • 1.インサイドセールスにて属人的な営業体制の脱却。
  • 2.多岐にわたるサービスメニューをオウンドメディアにて可視化し、ノウハウの平準化と市場競争力を強化。
  • 3.非対面営業による社内インフラの整備と固定費抑制に伴うテレワーク体制の構築。

 
この改善案を実現する為には社内の体質を根本から見直し、新しい分野の知見を深め、組織を根本から変革する必要があると思い始めました。正にDX化へ向けた取組みが必要であると実感したタイミングでも有りました。

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2. 事業再構築補助金申請による新事業への挑戦

幾度の社内会議を重ね、新事業の方針を模索していましたが、新事業を進める為に必要なDX化に関するITリテラシーが決定的に欠如している事に直面します。

スタッフ全員が事業への理解と協力を得る為には、私を含めてIT分野を一から学ぶ機会を作らなければならないと。

そこで、スタッフの知人を頼りにWEBコンサルを招聘し、私を含めた社員研修を始める事になります。新事業を始める前の基礎的な商流から、現在のWEBマーケティング領域の変革を知る必要があったからです。

セミナーシーン

約半年間の苦しい研修を経て、いざ実行となると何から手を付けるべきかが分かりません。

そんなある時、経産省が大型の補助金を計画している情報(事業再構築補助金)を入手し、この事業の要件に合わせて事業計画を立案する事で具現化が出来るのではと考えました。

とはいえ、不慣れな申請に合わせた事業計画の立案は経験が無く、企画書を何枚も作っては廃棄の連続。諦めてコンサルに依頼しようかとも考えましたが、自分の会社の事業計画の立案を部外者に任せるべきでは無いと半ば意地になっていました。

そんな時、弊社のスタッフが、私を見兼ねてと言いますか、半ばイヤイヤでしょうが企画を手伝ってくれる様になりました。

スタッフは企画を理解すると驚く程的確に、申請に必要な要件定義に沿って纏めてくれました。修正を幾度も重ねながら、完成に至る事になりますが、スタッフとの能力差を痛感しながら、心では本当に感謝していました。

準備に要する時間は膨大でした。新規事業の概略は「不動産業専門マーケティングDX支援メディア」の運用です。自社のオウンドメディアを立ち上げ、顧客の現場に於ける課題に寄り添った記事を配信し、より詳しい情報をダウンロード出来る仕組みを構築。

バックオフィス環境は、顧客情報をMA(営業効率化ツール)やCRM(顧客管理ツール)で連携し、インサイドセールスにてDX化を進め、従来の属人的な営業スタイルからの脱却を図る事。

また、関西中心の商圏を全国へ拡大し、新規顧客とのタッチポイントを増やしながら、弊社の扱う商材の提供を促進し、既存事業とのシナジー効果にて売上の最大化を目指す事業となります。

先づ事業計画書に必要な市場分析、競合分析を含めた弊社の強み弱み、それらをクロスSWOT分析で詳細なマーケットを理解しました。次に事業を進める上で必要な社内リソースの確保や外部との協力体制の構築を準備します。

最後にマネタイズの仕組み、導入計画から概算予算の積算とKPI(重要業績評価指標)を設定。新規事業による5年後の弊社の未来像を描く事で、事業の全貌が確実に見え始めました。

それに費やした時間は、延べ350時間以上…途方も無い時間ですが、今振り返ればあっと言う間の出来事だった気がします。

事業再構築補助金申請書

上記は申請時に作成した新事業計画書の一部です。たかが15P程度の内容ですが、内容はかなりヘビーで、スタッフを含め私もよく頑張ったなと思います。
さて、さて、自信満々で挑んだ第1回の事業再構築補助金申請は…見事に…非採択通知となりました…

もーなんでやねん!!!と独り言の毎日…

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3. “0”からの再出発、社内の反対勢力への奮闘

見事に事業再構築補助金申請は非採択の結果となりましたが、勿論ですが納得が行きません。
事務局に非採択の理由を問い合わせたところ、下記の酷い報告が届きました。

  • 1.新事業を進める際の社内のリソースが、現状では不足しているのではないか?
  • 2.そもそも、貴社の既存事業の延長上の事業で業態転換の定義に合致しないのではないか?
  • 3.新事業は幅広いタスクが予測され、事業の集中と選択が必要ではないのか?

 

予測された課題をズバリ指摘され、言葉を失いました。
「やっぱり駄目でしたか」、「審査員はちゃんと読んでますね」とスタッフの一言が胸に突き刺さります。スタッフの皆も納得の結果で、弊社の新事業への挑戦は一瞬でリセットされた気持ちになりました。

数日間、脱力感に苛まれ、自問自答を繰り返す中、やはりこの事業の推進は弊社の成長には必要不可欠と考え、このDX化による新事業の推進を自己資本で挑戦しようと決断しました。

ただし、一度客観的にダメ出しされた新事業の企画は、社内の反対意見も数多く、順風な再出発とは行きません。
まさに、”0″からの再出発となった訳です。

新事業に関する人事再編への抵抗は、予測の範疇を越えていました。人事異動に退職を決断する者、頑なに新規事業の業務を拒否する者等、スタッフとの確執が絶えない状況が続きました。

新事業会議

新事業は、代表としての意地とプライドに賭けて、半ば強引に推進する事になりましたが、勿論スタッフの協力無くしては前に進みません。

そこで、「会社の成長の上に、利益の分配が有る」と自身やスタッフに言い聞かせながら、日々スタッフを鼓舞し、新事業を粛々と進めていました。
上記の写真は新事業のシステム構築の要件定義会議の1シーンです。

我々広告業界は、飲食業界や旅行業界の皆様の大変な状況と比べれば、何とか出来る状況を有難いと思わなければならない。事業がどうにもならない背水の陣で、新事業へ転換する事は大博打であり、とても踏み出せる勇気が持てないかも知れない。

例え失敗しても挽回できる今だからこそ、中・長期の事業投資と割り切って、前へ前へ進めようと考える様にしていました。

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4.自社課題のDX化へ向けた取組みとツールの選定

では、自社の課題に対し、どの様なツールを導入すれば良いのか?皆様が悩まれる一番の問題です。コンサルからの助言も有りですが、先ずは色々なSaaSベンダー様の話しを聞く事で情報を集め、知見を深めて行こうと考えました。

弊社が目指す新事業を進めるには、いくつものDX化の課題が山積しています。そこで、手っ取り早くWEBにて情報を集める内に、実は大変な事態が起こります。

あらゆるDX化へ向けたツールをダウンロードや閲覧する中、各業者様より夥しい追客に追い回される事になったのです。

特にまとめサイトの様に一気に情報を収集できるサイトを利用した際には、業務に支障が出る程に電話・メールが後を絶たない状況となりました。
CRM(顧客管理)に関する資料を集める為に、まとめサイトから資料をダウンロードすると、なんと7社から一斉に連絡が…もう、後悔しても時既に遅しです。

教訓として、本当に必要な情報は、まとめサイトを頼らず、各SaaSベンダー様のサイトにて個別に詳しく調べるか、比較している記事を閲覧する方法が賢明と実感しました。では、下記に苦労して導入を決めたDX化のツール内容を纏めてみました。

  • ■オウンドメディアの構築:自社が扱う商材の可視化
  • ●要件定義・・・事業目的、3C分析、カスタマージャーニー、マネタイズの仕組み化、リード獲得施策
    ●システム構築・・・自社事務スタッフでも運用できるCMS機能(WP)によるサイト構築
    ●記事の配信・・・ブログ記事的なメディアである為、SEO対策をベースにキーワードの選定や競合対策

  • ■営業面の改善:インサイドセールス実現へ向けたツールの選定
  • ●Hubspot Marketing Hub・・・新規顧客開拓による営業の効率化
    ●Hubspot Sales Hub・・・新規顧客の進捗管理
    ●CLOUD SIGN・・・契約業務の電子効率化
    ●Meet、Zoom・・・非対面によるリモート会議対応

  • ■バックオフィス環境の改善:テレワーク化実現へ向けたツールの選定
  • ●freee会計・・・銀行やクレジットカード等の連携による経理業務の効率化
    ●freee人事、労務・・・クラウドによる出退勤の打刻や稟議書類の電子化
    ●board・・・印鑑不要、自動郵送のクラウド帳票管理

    上記オウンドメディア構築費やクラウド導入費の合計は、750万円(年間)を超える投資となりました…弊社の事業規模としてはかなりの投資金額になりますが、オウンドメディア構築費は資産計上する為、5年償却すれば良いと考えれば気持ちは楽に…高い車を買ったと思えば…。

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    5. 新事業の開発コンセプトとビジョンを胸に

    おおよそ、丸1年を掛けて新事業のDX化に取り組みましたが、日々のクライアントワークと並行して進めていた新事業への取組みは、スタッフの皆の汗と努力と頑張りで今春完成に至りました。勿論、完成して終わりでは無く、これから新事業の運用が始まる事になります。

    今回は自社のオウンドメディアが完成するまでのエピソードでしたが、皆様の中にも新たな事業への挑戦をご検討されている経営者様もいらっしゃると思います。
    表向きはDX化が進んでいる様に見える広告代理店ですが、現実は弊社の様な状況の会社が多いと思います。

    私は単に売上の業績指標結果だけがゴールとは思いません。
    スタッフの皆が新たな領域にトライする姿勢が、血となり肉となり、新たなビジネスの成長に繋がり、生き残って行ける会社になれると信じています。

    ただ、実は既に今回の取組みを進めて良かったと思う事が有ります。膨大な業務のはずなのに、気持ちは高揚し、毎日が楽しいと感じています(私だけかも知れませんw)。今は、楽苦しい苦難を乗り越え、ご拝読頂いた皆様に良いご報告ができる日を夢見て、スタッフの皆と共に走り続けたいと思います。

    行動指針

    アドコミは「常に新たな分野への挑戦を目指し、常に次代の感性に敏感で一歩先を見据えた提案を重んじ、お客様とユーザーを繋ぐ架け橋になる感性を持ち続ける」と言うロゴに込められた行動指針が有ります。

    今後、アドコミが皆様の新たな事業のブレーンとして、マーケティングDX領域の分野で、全力でご支援させて頂ける様に日々進化して参ります。新たなアドコミの挑戦に是非ご期待ください。

    この一連のブログは、弊社のオウンドメディア[Adrans:アドランス]が出来るまでの社内のDX化へ向けた取組みのお話しでした。

    オフィシャルブログによる赤裸々なエピソードは、大変お恥ずかしい次第ですが、お悩みの企業様の一助になればと思い本音で執筆しました。

    では、最後に新事業の開発コンセプトをご紹介させてください。下記の文面は弊社の新事業のメディア開発コンセプトになります。

    不動産業界は現在、大きな課題を抱えている。
    ITリテラシーの低さによる生産性の悪化、古い業界の体質による人材不足等、
    危機的状況に追い込まれる企業も少なくない。

    このアドランスの開発コンセプトは、不動産事業のマーケティングDX化をサポートし、
    長期的な事業の成長を促進させる事。

    不動産業界をテクノロジーの力で進化させ、業界のアップデートを促進する。
    アドランスは皆様の利益の最大化をMISSIONに、
    事業領域を拡げ、進化を加速させます。

    Advance for the future
    さあ、輝ける持続可能な企業を目指して

    不動産業専門
    マーケティングDX支援メディア
    [Adrans:アドランス]

    具体的には下記のリンクよりメディアをご覧ください。
    長い文面となりましたが、最後までご拝読頂き有難うございました。

    不動産業専門マーケティングDX支援メディア [Adrans アドランス]

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