こんにちは。
アド・コミュニケーションズのCR事業部で、デザイン制作を担当している杉田です。
普段は不動産広告のチラシやパンフレット、Webバナーなどを制作しています。
実は私、二級建築士の資格を持っています。
もともとは住宅メーカーや設計事務所で、数年間、住宅設計に携わっていました。その後、不動産広告に興味を持ってアドコミに入社し、現在3年目になります。
建築設計の経験と、広告デザインの技術。この両方を生かせることが、今の自分の強みだと感じています。
今回は、デザイナー3年目の今、建築の知識や経験が広告制作にどのように役立ち、どんなことに気づいたのか、具体的な制作場面を交えてお話しします。
私の強みは、図面から設計の意図を読み取り、広告に生かせること

入社1年目のころは、とにかく「かっこいい」「おしゃれ」と思ってもらえるデザインを作ろうとしていました。
色や書体、写真の見せ方など、見た目の完成度に意識が向いていたと思います。
ただ、見た目にこだわって制作しても、反響が思うように伸びないことがありました。
もちろん、広告の反響はデザインだけで決まるものではありませんが、その経験から、きれいに仕上げるだけでなく、「何をどう伝えるか」を考えることの大切さを感じるようになりました。
そこで、今の自分が生かせる強みとして意識しているのが、二級建築士の資格と住宅設計の経験を通じて身につけた、建築図面を深く読み解く知識です。
建築図面には、平面図や展開図、配置図など多くの種類があります。
例えば平面図一つからでも、部屋の配置だけでなく、ドアや窓の位置、設備との関係、生活動線などを読み取り、設計者がどのような暮らしを想定したのか、その工夫や意図を考えることができます。
図面の中にある設計者の工夫を、広告を見る方にも分かりやすく伝えたいですね。
もちろん、図面を読めるデザイナーはほかにもいますし、資格があるだけで良い広告が作れるとは限りません。
しかし、グラフィックデザインの技術に建築の知識を掛け合わせ、設計者のこだわりを読み解き、完成後の空間をイメージして広告に反映できる点は、自分ならではの強みだと考えています。
図面から室内イメージパースをつくるときに生きる空間想像力
その強みを特に感じるのが、図面をもとに室内のイメージパースを制作する場面です。
最近は、グラフィックデザインの制作業務の中でも、パンフレットやWebサイトに掲載する室内イメージパースを制作する機会があります。
室内イメージパースとは、完成後の室内を立体的に表現し、空間の雰囲気や広がりを伝えるための画像のことです。図面だけでは完成後の様子を想像しにくい方にも、住まいのイメージを届けやすくなります。
今回ご紹介するのは、実際に図面をもとに制作した室内イメージパースです。

比較的シンプルな形状のガレージですが、実はこうした空間でも、建築の知識が生きる場面は多くあります。今回の制作では、特に次の3つのポイントを意識しました。
- POINT 01|照明の数と配置
部屋の広さや用途を考慮し、不自然な照明計画にならないよう配慮。 - POINT 02|棚や車などのサイズ感
空間の寸法を意識し、棚や車などの大きさや奥行きが自然に見えるよう調整。 - POINT 03|壁・床の仕上げ
仕様書を確認し、素材や色味が実際の仕上げに近づくよう表現。
一つひとつは小さなことですが、こうした細部の違いが積み重なると、完成した画像の印象も変わってきます。
建築設計の経験があるからこそ、図面から実際の空間を想像し、「この大きさは少し不自然ではないか」「この仕上げは図面や仕様と合っているか」といった点に気づきやすいのは、自分の強みだと感じています。
もちろん、図面や仕様書だけでは分からない部分もあるため、必要に応じて担当者への確認も欠かせません。
見た目の美しさだけでなく、実際の空間との整合性にも目を向けながら制作できること。そこに、建築の知識を持つデザイナーとしての価値があると考えています。
適切な家具の配置で画像の説得力が変わる
室内パース以外にも、実際の室内写真に家具や人物を合成し、暮らしをより具体的にイメージしやすくする制作があります。
そこで大切なのが、適切な家具の配置です。
ソファやダイニングテーブルを置けば生活感は出ますが、置き方によっては、実際の暮らしとはかけ離れた違和感のある印象になってしまいます。
今回ご紹介するのは、実際の室内写真に家具や人物を加え、住んだ後の暮らしをイメージできるようにした制作事例です。

- POINT 01|家具のサイズ感
空間の広さに対して不自然に小さすぎたり大きすぎたりしないよう、家具のサイズ感に配慮。 - POINT 02|生活動線
人が通る場所や、椅子を引くスペースなどを意識して、無理のない配置を検討。 - POINT 03|暮らしのイメージ
家具や人物を加えることで、住んだ後の過ごし方を想像しやすい表現に。
家具や人物を追加することで、写真から伝わる暮らしのイメージは大きく変わります。だからこそ、見た目の良さだけでなく、実際の空間に無理なく収まる表現になっているかを確認することが大切です。
私の場合、図面から部屋の寸法を確認したり、写真から空間の広がりや位置関係を把握したりしながら、完成した画像に不自然な点がないかを考えるようにしています。
もちろん、家具の配置に唯一の正解はありません。それでも、部屋本来の広さや特徴を損なわず、そこでの暮らしを具体的に想像してもらえる画像に仕上げたいと思っています。
こうした「空間としての自然さ」まで意識できることも、建築設計の経験を持つ自分の強みだと感じています。
図面から読み取った魅力を、暮らしの言葉に変える

チラシやパンフレットに載せるコピー(文章)を考えるときにも、間取りを読み取る視点が生きてきます。
例えば、玄関近くにシューズインクロークがある場合。ただ「SIC付き」と書くよりも、広さや形状を確認したうえで、「靴や外出時に使うものを玄関まわりに収納できるスペース」と紹介した方が、使う場面を想像しやすくなります。
また、建築業界では当たり前の言葉でも、初めて住宅を検討する方にとっては、意味が分かりにくい専門用語もあります。
だからこそ、設備の名称や性能をそのまま伝えるのではなく、「それが実際の暮らしでどのように役立つのか」を意識して表現することが大切だと思います。
専門用語をそのまま使うより、暮らしの様子が浮かぶ表現を意識しています。
もちろん、魅力を伝えようとするあまり、実際の仕様以上によく見せてしまわないように注意も必要です。
私が大切にしたいのは、専門的な特徴を理解したうえで、初めて住宅を検討する方にも分かる言葉、広告を見る人の暮らしにつながる表現に置き換えることです。
建築設計の経験があるからこそ、図面から物件の特徴を正しく読み取り、その魅力を分かりやすく伝える表現を大切にしたいです。
AIで画像を作れる時代だからこそ、図面との整合性を大切にしたい

最近は画像生成AIなどの技術が身近になり、短時間で見栄えのよいビジュアルを作れるようになってきました。表現の選択肢が広がることは、良い面も多いと思います。
ただ、不動産広告では「きれいに見える」ことと「実際の建物を正しく表している」ことは別です。
例えば、魅力的な室内画像でも、窓の数や位置、キッチンの形状、家具を置ける範囲が図面と合っていなければ、見る人に誤った印象を与える可能性があります。
これはAIに限らず、どのような方法でパースを作る場合にも共通することです。
だからこそ、制作方法が変わっても、図面や仕様資料を読み取り、完成したビジュアルを照合する力は欠かせません。
AIは新しい表現を考えるうえで可能性のある技術ですが、制作を任せきりにするのではなく、何をどう見せるか、情報が正確かを人が判断することが大切だと考えています。
新しい技術にも目を向けながら、建築の知識とデザインを見る目を磨いていきたいです。
なお、AIを活用したホームステージングの具体的な方法や注意点については、当社のスタッフブログでも詳しく紹介しています。ご興味のある方は、ぜひこちらもご覧ください。
建築士の知識を、伝わる広告づくりに生かしていきたい

デザイナー3年目になって感じるのは、自分の強みを「資格を持っていること」だけで終わらせたくない、ということです。
図面から空間を立体的にイメージする。家具を無理なく配置できるか考える。完成後の姿と広告表現に食い違いがないか確認する。そして、建物の特徴を、住まいを探す方にも伝わる言葉やビジュアルに変える。
こうした一つひとつの判断に、建築を学んできた経験を生かせると思っています。
建築とデザイン、両方の経験を生かして、もっと伝わる広告をつくっていきたいです。
もちろん、まだまだ学ぶことは多く、分からない部分は資料や担当者への確認が欠かせません。
それでも、建物を理解したうえで「正確に、そして魅力的に伝える」ことは、二級建築士の資格と住宅設計の経験を持つデザイナーとして、これからも磨いていきたい強みです。
見た目がよいだけでなく、完成後の暮らしが具体的に想像できる。
そんな不動産広告を、これからもつくっていきたいです。
不動産広告の制作や、図面をもとにしたイメージづくりなどでお困りのことがあれば、ぜひアド・コミュニケーションズにお気軽にご相談ください。