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公開日:2018.07.20 最終更新日:2018.07.30

韓国・済州島で見たインバウンド対策・QRコード決済の現状

Web事業部・ディレクターの温井(ぬくい)です。
実は社員旅行で7/14~7/16の三日間、韓国の済州島に滞在していました。

アドコミではインバウンド(訪日外国人観光客)対策の一環として、海外向けインターネット広告運用、越境SNS運用支援の他にも
「支付宝(Alipay/アリペイ)」「微信支付(WeChatPay/ウィチャットペイ)」の導入支援を行っているのですが、
中国人にとってビザ免除地域でもある済州島なら、多くの中国人観光客に対してどのようなインバウンド対策をしているのか視察できるかも・・・とわたしは今回の旅行を楽しみにしていました。

「支付宝(Alipay/アリペイ)」「微信支付(WeChatPay/ウィチャットペイ)」とは


「支付宝(Alipay/アリペイ)」は中国のEコマース企業「Alibaba Group(アリババグループ/阿里巴巴集団)」の子会社、アント・フィナンシャルサービスが運営する決済サービスです。
アリババは中国EC市場のなかで絶大なシェアがあり、中国のAmazonとも称されています。
Alipayによる取引金額は2016年には決済総額が1.7兆ドル(約188.7兆円)まで増加したというデータが発表されていて、まさに中国のキャッシュレス決済市場を牽引する存在です。


Alipayとシェアを分け合うWeChatPayは中国版LINEとも言えるチャットアプリ、微信(WeChat/ウィーチャット)を運営するTencentグループの財付通支付科技有限公司(Tenpay Payment Technology Co., Ltd.)が提供しているモバイル決済サービスです。
Wechatのアカウント数は約13億を超えるとも言われ、2013年8月からサービスを開始したWeChatPayはそのユーザーボリュームを背景に2016年には1.2兆ドル(約133.2兆円)になるまでの急成長を遂げました。

これらのスマートフォンを使った決済サービスはQRコードを提示するだけでユーザーの登録口座からの引き落としができる高い利便性が受け入れられ、商品やサービスを提供する店舗側にとっても導入コストが殆どかからない、釣り銭などを大量に用意する手間が軽減される、などのメリットから大型店から小さな路地の屋台に至るまで、中国では急速に、あらゆる購買シーンに普及しています。

一日目・中央地下商街&済州東門水産市場

旅の初日に訪れたのは「中央地下商街」と「済州東門水産市場」
大阪だと、まさに「なんなんタウン」と「黒門市場」という感じ。

済州東門水産市場は「済州島の台所」と呼ばれるだけあって、海産物、キムチ、くだもの、お土産のお菓子など、所狭しと並んでいて圧倒されました。
これはきっと支付宝・微信支付のステッカーが見つかるはず!と思ってそぞろ歩きましたが・・・見つけられず。

中央地下商街でも中華QRコード決済のステッカーは見当たらず、OLIVE YOUNG(韓国のソニープラザみたいな化粧品店)の店員のお姉さんに聞いてみても使えないとのこと・・・
このときは、観光地とはいえ首都ソウルから遠く離れた田舎と言えば田舎なので、ちょっとアテが外れてしまったかな?と嫌な予感がしていました。

二日目・月汀里海岸&城山日出峰

大阪のピチピチビーチとは透明度が雲泥の差、「月汀里海岸」。
ここは海岸通りを挟んで有名なカフェ通りがあり、いかにも観光スポットという風情でした。

インバウンド対策として注目すべきキーワードはずばり「インスタ映え」。
各店とも透明度の高いきれいな波打ち際を借景としたテラス席を用意しているのはもちろん、防波堤にはカントリーテイストのベンチなどが設置されていたり、店舗の壁に大鏡がありロケーションと一緒に自撮りができるお店など、SNS拡散を狙った工夫が随所にありました。

しかしここでもQRコード決済のステッカーは見当たらず。所詮は中国ローカルの決済システムなのか・・・と絶望しながら「城山日出峰」に向かいます。

海底火山の噴火によってできた奇景、「城山日出峰」は山頂まで登ることができるのですが、残念ながらこの日は警戒警報が出るほどの猛暑日。
登頂をあきらめて涼みに入ったカフェで・・・やっと見つけました!

まさかこんな小さなカフェで見つけることができるなんて。
ありがとうgreenroof_jeju。私のクエストはいま達成された・・・。

三日目・済州新羅免税店&周りの商店街

最終日はひとり早起きして済州西門市場に向かいました。
早すぎて(6:00ぐらい)全然お店が開いていない・・・11時ぐらいからぼちぼちオープンし始める感じらしいです。

なんてこと無い小さな地元の商店街なんですが、デジタルサイネージっぽい案内板があったのはさすがです。

バス停にも運行状況と地元のイベントを告知しているデジタルサイネージが設置してあり、
韓国ではかつて10年ほど前にソウル市江南駅周辺を公衆無線LANや地図情報、インタラクティブメディアを充実させてユビキタス通り(古い!)として都市開発を行い、非常に注目されていたことを思い出します。

そしてホテルをチェックアウトし最後の目的地、「新羅免税店」に到着。
まずは周辺のショップを視察してみると・・・あっさりステッカーが見つかってしまいました。

というか、ほとんどのお店の入り口に貼ってある!
WeChatPayなんてテーマカラーのグリーンが退色している年季の入ったステッカーもちらほら・・・もうAlipayと同じ青い色のアイコンになってしもてるやん・・・。

やはり中国人のショッピングツーリズムを取り込むため、このエリアでは、かなり以前から導入が進んでいたようです。
新羅免税店では、GUCCIやHERMESなどハイブランドのテナントで買い物をする中国人観光客が大挙していて、さながらバブルの頃の日本人観光客のようでした。

さいごに

済州島でのインバウンド対策、QRコード決済の状況は、
アウトドア観光スポット、地元商店街やスーパー・コンビニなどではまだ導入されていない。
一方で有名免税店や周辺のショッピングエリアではほぼ完備されている。

といった感じでした。
わたし個人は、ちょっとした買い食い・食べ歩きで小銭が溜まっていくのはイヤなので、もっと下町に普及しているとありがたいんじゃないかなーと思ったりしました。
なので、大きなショッピングモールだけじゃなく小規模店舗や個人事業向けにもしっかりきめ細かい導入サポートを行い、
QRコード決済を普及させていくことで、大阪・京都・奈良に訪れる中国人観光客の旅行体験をより素敵なものにしていきたい。
あまねくおもてなしをする側の皆さんに、接客コストを軽減しながらもスムーズなコミュニケーションで最高のサービスをご提供いただけるようにしていきたい。

そんなことをミッションに、今後も普及に努めていければと思いを新たにした旅となりました。

2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2025年の関西EXPOはもうすぐ。そんな遠い未来のことではありません。ぜびわたしと訪日外国人のキャッシュレス決済と越境ソーシャルネットワーク、その世界観についてお話ししませんか?
ご興味を持って頂けましたら、ぜひお問い合わせください!

今回も最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

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