こんにちは!ご無沙汰しております、アシスタントの清島です。
日中の日差しは暖かくて過ごしやすい日もありますが、
朝晩は冷え込むので、お鍋やおでんが恋しい季節になりましたね。
先日、大阪でも木枯らし1号が吹いたと発表されました。
一気に冬に近づき、年々秋が短くなっているような気がします。
さて、今回は物件のネーミングについてお話したいと思います。
不動産広告において物件のネーミング立案やロゴマーク開発は欠かせないお仕事のひとつです。
新築でマンションを建設する場合、設計プランと同時進行で決めるのがマンションの名称です。
名前ひとつで物件のイメージは大きく変わりますし、
実はマンションの名称と入居率には深い関わりがあると言われています。
しかし、実際にネーミングするとなると難しいもので、
悩まれている担当者様も多いのではないでしょうか。
ここでは実際にネーミング立案に携わったときに気をつけたいネーミングのルールや
ポイントなどについてご紹介していきたいと思います。
ロゴマークについては過去のブログでご紹介していますので、こちらも是非ご覧下さい。
・モデルハウスのロゴマークについて
・物件ロゴマークについて
・あのロゴに込められた意味とは?【ロゴ制作について】
ネーミングの目的
あらゆる商品やサービスに欠かせないのが名前です。
「名は体を表す」という言葉があるように、名前はその実体を表します。
だからネーミングはとても大切です。
ネーミングの目的は、「商標としての名前を定める」という根本的なものだけではありません。
ネーミングには「名前を聞いただけで商品・サービスの具体的なイメージが思い浮かぶ」
「聞いた人に強い印象を与え、記憶してもらう」「好意を持ってもらい購入してもらう」という
期待が込められており、商品がヒットするうえで重要な要素の1つなのです。
(建物ではこれに「ロゴ」が絶対に欠かせない要素です。)
これは、名前の付け方で売上は大きく変わりうることを意味しています。
そして、住宅における「物件名」に関しても同様のことが言えます。
ネーミング(物件名)の重要性
1.物件探しで最初に目にする

マンションの名前は、建物の印象に大きな影響を与える大切なものです。
名前から連想するイメージが、物件を選ぶ際の判断に影響を与えることもあります。
物件を探す際に、多くの人はパンフレットや情報誌、またはWebサイトなどを調べるところから始めると思います。
その際、ほとんどの場合、最初に目にするのが物件名です。
名前のセンスが良くないと、この段階で無意識のうちにスルーされてしまう可能性があります。
もちろん、物件自体が魅力的でなければならないのは言うまでもありませんが、
ネーミングは決して軽視できない要素なのです。
2.消費者の購買意欲をあおる

マンションを購入しようとする際、名前は意外と気になるものです。
あまりイメージのよくない名前だと購入をためらってしまうかもしれませんし、
逆に、甲乙をつけがたい物件が複数ある場合は名前の良さが最後の決め手になる場合もあるかもしれません。
ネーミングは物件のイメージを左右する意外と重要なポイントなのです。
3.ネーミングで入居率が変わる!?

賃貸マンションもネーミング次第で入居率が変わる可能性があります。
実はマンションの名称と入居率には深い関わりがあると言われており、
たかが名前一つで大げさかと思うかもしれませんが、マンション名は物件の顔とも言えるので、
名前次第でイメージアップすることができます。
入居者が好むようなネーミングにすれば物件に対するイメージが良くなり、成約(入居)に繋がりやすくなります。
物件の名前の決め方・ルール
では実際にどのようにネーミングすればいいのでしょうか。
物件の名前は基本的に自由に決めることができます。法律や政令などによる決まりは特にありません。
ただし、不動産会社のほとんどが加盟する業界団体である不動産公正取引協議会連合会では、
「不動産の表示に関する公正競争規約」の第19条「物件の名称の使用基準」でルールを示しています。(2022年9月1日改定)
かつて、ブランド力のある地名を名前に取り入れてトラブルになるケースが多発したため(実際には遠いのにその地名を使っているなど)、混乱を招くとしてルールが設けられました。
1.物件の名称の使用基準
それでは内容について、簡単にご紹介しましょう。
・物件の所在地において、慣例として用いられている地名又は歴史上の地名がある場合は、
 その地名を用いることができる。
 例:御殿山、大和町など
・物件の最寄りの駅、停留場又は停留所の名称を用いることができる。
 例:横浜、梅田など
・物件が公園、庭園、旧跡その他の施設又は海(海岸)、湖沼若しくは河川の岸若しくは堤防から
 直線距離で300メートル以内に 所在している場合は、これらの名称を用いることができる。
 例:新宿御苑、大阪城公園など
・物件から直線距離で50メートル以内に所在する街道その他の道路の名称(坂名を含む)を用いることができる。
 例:八重洲通り、中央大通りなど
例えば、マンションが梅田になく、最寄り駅が梅田駅でもない場合は、マンションの名前を「◯◯◯◯梅田」
とすることはできないのです。
物件を探す人を混乱させたり、誤ったイメージを与えてしまったりすることを防ぐ目的に、
物件の名称として使える地名の範囲を明確にしたのです。
なお、別荘地の物件やリゾートマンションに関しては、最寄り駅から直線距離で5,000m以内であれば
その最寄り駅の名称を用いることができるなど、もう少し広い範囲で地名の物件名への使用が認められています。
2.ネーミングの基本~気をつけたいポイント~

物件の名前は基本的に自由に決めることができると言いましたが、
印象やイメージに直結するため、ルールさえ守っていればどんな名前でもいいというわけにはいきません。
マンション選びをしている人からすれば、入居後はマンションの名前を書いたり話したりする機会もあるため、
できるだけ響きが良く、いい印象を受ける名前のマンション名がいいでしょう。
ネーミングの基本として、次に記す5つの気をつけたいポイントが挙げられます。
・誰もが理解しやすい
マンション名に限りませんが、ネーミングの基本は、まず誰もが理解しやすい名前をつけることです。
いくら思い入れがあったとしても、長い外国語をそのままカタカナに置き換えたり、
多くの人が聞きなれない単語を使ったりするのはおすすめできません。
・音感がよい
音感は、発音がしやすく、聞きやすくて、気持ちよく感じられるか、などが基本です。
マンション名は、伝えやすい名称であることも大切です。
居住者にとって、マンション名を伝える機会は多くあります。
そのため、聞き取りづらくて毎回聞き返されるようなマンション名では、
生活する上でも支障が生じる可能性もあります。
・長くなりすぎない
ネーミングは、長くても7文字以内が理想といえます。
記憶の研究者ミラーは、「マジカルナンバー7±2」という研究で、
数字や単語の記憶は、たとえ短期的な記憶でも、7文字前後が限界だとしています。
名前が長すぎて書きづらかったり、漢字が難しくてなかなか読んでもらえなかったりするマンション名は、
居住者にとっては不便なものです。
・建物のイメージを反映
マンションの名前に建物のイメージを現す言葉を入れることが多いです。
たとえば、「高い建物なので○○タワー」「マンションの色にちなんだ名前」などです。
「丘の上に立っているマンションの名前に丘の字を入れる」「自然に囲まれているからナチュラル○○」
などのように、周辺環境も含めるケースも多くあります。
・親しみやすく、印象に残りやすい
シンプルで読みやすい名前であっても、ほかの物件と間違えられたり、記憶に残らなかったりする可能性があります。
伝わりやすい名前というだけでなく、相手の記憶に残るようなアクセントを加えると良いとされています。
良いネーミングを生むためには、少なくとも上記のポイントを意識することが重要です。
よく使われている言葉
マンションのネーミングで実際によく使われている言葉をまとめてみると、
「外来語・外国語」「建物のイメージや物件の状態を表す言葉」「家・住居など建物を表す言葉」「地名」
といったものが挙げられます。
英語やフランス語、イタリア語、ドイツ語などの外国語を入れた名前が人気となっており、
外国語を入れるだけでイメージが格段に変わります。
建物を表す言葉は名前を出しただけで、その物件がどのようなカテゴリーに含まれているのか、
どのような立地・環境に建てられているかをイメージできます。
地名にブランド力があるところなどは、地名を入れる場合も多いようです。
■マンション名に使われやすい言葉

言葉の組み合わせ

建物のイメージに合う言葉をいくつか探し出したら、それらを組み合わせた造語が基本となります。
ここで気を付けたい重要なポイントは「非類似性」です。
つまり、他に似たような名前がたくさんあった場合やありふれている名前では、
決して良いネーミングとは言えません。
いかに差別化が図れるかによって、物件の人気が左右されることもあります。
よりオリジナリティを出すために、名詞・形容詞・造語などを採用している例も見られます。
また、すでに同じような名称のものがないかチェックし、また商標登録されていないか確認することも大切です。
他社が商標登録している名称を使うのはトラブルの元になるので避けた方がいいでしょう。
最近使われなくなった言葉
よく使われている単語や用語がある反面、昨今ではあまり使用されなくなった単語や用語も存在します。
昭和後半から平成の初期に掛けられて建設されたマンションの名称には、当たり前の様に使用されていた
「ハイツ」、「コーポ」、「○○マンション」などの単語や用語を入れた名称は、現在では殆ど
使用される事がありません。
建造から時間の経った昭和後半から平成初期のマンションを連想させる名称であることが背景にあり、
マンション以外のアパートの名称でも「ハイツ」、「コーポ」、「メゾン」が使用される事は少なくなっています。
マンション名は変更できる?
最後に、今あるマンションやアパートの名前を変えたいと思ったとき、名前を変更することはできるのでしょうか。
結論から言うと、マンションの名前は後から変更することも可能です。
ただし、手続きは簡単とはいえません。
不動産登記の変更だけでなく、マンションの名前が記載されている箇所をすべて変更する必要があります。
電力会社、ガス会社、水道局、NTTなどに問い合わせ、名前の変更手続きをおこないます。
また、マンション名が変わることで、居住者は、運転免許証をはじめ、住所を登録している
さまざまな公共・商業サービスの変更手続きをする手間がかかってしまいます。
マンション名変更の1ヵ月前には、入居者に対して通知されることが一般的のようです。
まとめ
物件の特性をコンパクトに表し、その物件を輝かせる名前を付けることで、物件の付加価値を高めます。
そして、ネーミング自体が物件の宣伝手段のひとつとなり、消費者の購買意欲を高めることにも繋がります。
ネーミングはブランディングの重要な要素なのです。
ネーミングに要求されるのは、一番は語彙力ですが、マーケティング力、アイデアを量産することも重要となります。
今回お伝えしたネーミングの際の注意点やポイントが、これからネーミングを担当する方々の参考となれば幸いです。
弊社では、ネーミング提案だけでなくロゴマークの制作も多数しており、一から企画提案も行っておりますので、
興味がある方は是非一度アドコミまでお問い合わせください。
Twitter・Facebookでもブログ更新情報+αを配信中!フォローお願いします!
Follow @ad_comi
インスタもやってます。こちらもぜひ!
