不動産がチャットボットを使うメリット3選!注意点や意識すべきポイントも解説!
リアル店舗で対人にて行われていた「接客」ですが、今日ではECなどのWEBを通じた事業でも同様の「WEB接客」の重要度が高まっています。
今回の記事では、【WEB接客に「チャットボット」を導入することはWEB戦略上効果的であるのか】、そして【チャットボットにはどのような種類があるのか】などを説明します。
目次
- WEB接客とは何か?
- WEB接客ツールの種類について
- WEB接客としてチャットボットを導入するメリットについて
- チャットボットにはどのような種類があるのか?
- シナリオ型、辞書型、AI型、どの種類のチャットボットを選ぶべきなのか?
- チャットボット導入上の注意すべきポイントについて
- 最後に
WEB接客とは何か?
「WEB接客」とは、ECサイトのホームページなどに訪れたお客様に対して、リアル店舗でお声掛けをする店員と同じような働きかけを、WEB上で行う仕掛けのことです。
自社のECサイトに訪問したお客様に対し、滞在時間に合わせてポップアップでサイト内のおすすめ商品やクーポンを提案したり、スクロール深度と連動して次のコラムコンテンツをお勧めするといったものもあります。
ほかにも、ページを離れる際「このページから離れますか?」といった問い掛けをされた経験がある方も多いと思います。
あれも、(場合によっては鬱陶しいこともありますが)WEB接客の一つです。
Web接客を行うことにより、サイト内で様々な情報提供やオファー提示をして売上を向上させるとともに、顧客満足度の向上を実現させます。
WEB接客ツールの種類について
WEB接客ツールの種類にはどのようなものがあるのかご存知ですか?
具体的には以下のような種類に分かれています。
- ポップアップタイプ
- チャットタイプ
ポップアップタイプ
「ポップアップタイプ」とは、パソコンやスマホの画面上におすすめの商品やサービス、お得な情報などを表示させるツールのことです。
自社のホームページ利用者の属性や購買履歴、滞在時間などの情報を分析し、キャンペーンやクーポンなどの有益な情報を最適なタイミングで表示させることで、サービス・製品の利用や購入を効率的に促すことができます。
ツールによっては、広告媒体や初訪・再訪ユーザーで情報を切り分けるといったことも可能です。
チャットタイプ
「チャットタイプ」とは、自社のホームページ利用者とチャット(ボット)を通じてコミュニケーションを取ることができるツールです。
ホームページ利用者がサービスを利用中、何らかの問題が発生した際は、このツールを使うことによってリアルタイムで担当者とコミュニケーションが取れるので、カスタマーサポート用途に適しています。
チャットタイプのツールは大きく3つに分類されます。
有人型・シナリオ型・AI(人工知能)型、それぞれにメリットデメリットが存在しますので、予算や目的に合ったものを選ぶことが重要です。
今回は、チャット(ボット)接客について解説していきます。
WEB接客としてチャットボットを導入するメリットについて
WEB接客としてチャットボットを導入するメリットには、以下のようなものが挙げられます。
お問い合わせなどでの利用者の利便性を向上させられる
WEB接客としてチャットボットを導入するメリットの1つ目には、お問い合わせをしようとするユーザーの利便性向上や、心理的ハードルが下がることが挙げられます。
サービスなどを利用していてトラブルが発生した場合、利用者からすれば出来るだけ早くその問題を解決するためのリアクションが欲しいと考えるのが当然です。
メールでの問い合わせは返信が遅く、電話はつながらない場合などが多いです。
しかし、チャットボットはプログラミングされたシステムであるため24時間対応しているうえ、よくある質問などはあらかじめ対応できるように設定できます。
もちろんWEBサイトにはFAQページなども設置されているでしょうが、チャットボットに適切な答えに誘導するためのナビゲーションの役割を持たせれば、一問一答に応えることで解決まで導くことができます。
人的リソースを軽減
WEB接客としてチャットボットを導入するメリットの2つ目には、人的リソースを軽減できることが挙げられます。
カスタマーサポート部門において、従来は対人であった業務に自動応対を導入することによって、オペレーターにかかる負担を削減しつつ業務効率化ができるため、人員を減らすことでの費用縮小が可能です。
また、人間が対応しなければならない難解な問題であっても、先にチャットボットがヒアリングすることでユーザーの状況を絞り込んだり、一次対応を任せて折り返すなど半自動のオペレーションで業務効率をアップさせる、といった方法も実際に行われています。
一定以上の精度を維持して対応できる
WEB接客としてチャットボットを導入するメリットの3つ目には、一定以上の精度を維持して対応できることが挙げられます。
AI型のチャットボットを利用する場合、学習に時間を要するのでいきなり高精度な対応が可能なわけではありませんが、利用者との会話の記録を機械学習が学習していく過程で多様な会話にも対応できるようになります。
対人対応でなくても、一定以上の精度を維持して利用者に対応出来るようになるので、この点は大きな魅力の1つであると言えるでしょう。
チャットボットにはどのような種類があるのか?
チャットボットにはどのような種類があるのでしょうか?具体的には以下のような種類のものがあります。
- シナリオ型チャットボット
- 辞書型のチャットボット
- AI型のチャットボット
シナリオ型チャットボット
「シナリオ型チャットボット」とは、利用者が頻繁に行うであろう質問の内容とその回答をあらかじめ用意しておき、それらの質問に対応した回答を自動で返すタイプのチャットボットのことです。
あらかじめ頻繁に投げられるであろう質問を想定しておき、利用者にその中から知りたい質問を選択してもらう形式です。
それが、いわゆるシナリオのように予定されているフローチャート通りに最終的な回答へと到達します。
根本的に、 「チャットボットとユーザーが会話をする」ということは無く、チャットボット側が提示する選択肢に答えていくものですが、シナリオ構築次第であたかも会話が紡がれているような演出が可能 です。
また、WEBサイト側が想定する形でシナリオをコントロールすることが出来るので、ビジネスの目的がはっきりしている(購入してもらう、問い合わせしてもらう)といったユーザーの行動を、自社の思惑へと誘導することも可能です。
シナリオを展開していく中で自社サービスのアピールを行うといった、リアル店舗の接客話術のようなこともできるかも知れません。
辞書型のチャットボット
「辞書型のチャットボット」とは、あらかじめチャットボットのシステムの辞書に検索数が多いと想定される単語を登録しておき、その単語に対応した回答を用意しておくタイプのチャットボットのことです。
例えば、利用者が「価格はどのくらい」「支払い方法について」などのキーワードを入力すると、それらのキーワードと関連した回答が辞書から導き出されます。
選択肢から選ぶわけではなく自身で考えたキーワードを入力する形式なので、シナリオ型のチャットボットよりも人間との会話に近く、多様な質問に対応することが可能です。
サイト内テキストを解析したうえで回答として提示する、いわゆるサイト内検索ツールの仕組みを持たせたタイプもあります。
ある程度の自由度と、範囲が限定しているが故にユーザーのニーズから大きく外れない回答が期待できます。
AI型のチャットボット
「AI型のチャットボット」とは、利用者とのやり取りからAIが会話内容を機械学習によって学び、回答の精度を上げていくチャットボットです。
上記の2つとは違い、会話を分析してそこから最適な回答を導き出し、返答していく形式になっています。
機械学習は会話データを学習すればするほど回答の精度を向上させていくので、たくさんの会話データを蓄積できれば制度の高い回答を返答することができるようになります。
詳しくは資料をご覧ください。
シナリオ型、辞書型、AI型、どの種類のチャットボットを選ぶべきなのか?
「シナリオ型」「辞書型」「AI型」、どのチャットボットを選ぶべきかは、チャットボットをどのような目的や用途で活用したいかによって決まります。
最適なタイプの選択方法については以下で説明していきます。
FAQ回答対応などには「シナリオ型」
自社のホームページにあるFAQ回答対応にチャットボットを使いたいならシナリオ型が適しています。
例えば、人事・経理・IT関連の質問など社内間での問い合わせ対応、自社で扱っている製品やサービスに関わる事項への「よくある質問」への対応を効率化することができます。
シナリオ構築にはコツと工数がかかりますが、導入費用も比較的安価にですし限定した目的に特化したものであれば必要十分な機能を持たせることができます。
お問い合わせフォームや商品カート機能を持っているツールも存在し、通常のエントリーフォームに比べCVRが向上するといったデータも存在します。
関連する事項が多岐に渡る質問対応には「辞書型」
自社ホームページの問い合わせフォームなどで寄せられる、関連事項の範囲が広く、ある程度どんなことでも対応させたい場合は辞書型が適しています。
例えば「料金を知りたいと」いう質問があった場合、本来この単語だけではサービスの料金なのか、製品・商品発送にかかる費料なのか限定するのは困難ですが、辞書型チャットボットはこのような課題も解決できます。
質問に対する回答が誤ったものになってしまうとユーザーの誤解を招いたり、場合によっては経済的損失を与えてしまう危険性もあります。
シナリオ型では対応できない質問内容も、辞書型であれば比較的安心感を持って実装することが可能です。
複雑性の高い会話は「AI型」
稀に可笑しな回答をしてしまうのもご愛敬、といったエンタメ要素を込みで導入するのならAI型です。
学習を繰り返すことで応答の精度が高まるため、シナリオ型のように担当者が頭をひねってフローチャートを作る必要も、辞書型のように膨大な質問と答えを用意しておく必要もありません。
とはいえ、AIが正しく応対で来たかどうかを評価する「教師」が居ないとAIは何が正しく、何が間違えているのか学習ができないので、全くの手放しで運用できるわけではありません。
導入費用が最も高額になることも覚悟しておく必要があります。
人工知能開発が活況になった今では、様々なAI型チャットボットが開発されましたが、完全なビジネス目的というより、むしろWEBサイトの先進性をアピールするためだったり、正確な回答より「キャラ」を立てて親しみやすさを主眼としたケースも多いです。
チャットボット導入上の注意すべきポイントについて
1.導入目的を明確にする
問い合わせの対応の効率化を図りたいのか、WEB上で自社及び自社製品・サービスの評価を間接的に向上させて購買や契約につなげたいのか、マーケティングをより効率的に行うために役立てたいのかなど、チャットボット導入の目的を明確にすることが重要です。
チャットボット接客後に目的がきちんと達成されたのか、解消したい課題が解決しのたか、といった効果測定を行おうにも、導入時の目的が曖昧であればなんとなくで終わってしまいます。
「商品の返品率を減らしたい」、「サイトの直帰率を下げたい」、「電話対応の数を減らしたい」、など現状での課題感を明らかにし、チャットボット導入でそれが解消されるのかまでを見越して計画すべきです。
2.システムを管理していく責任者を決める
チャットボット導入上の注意すべきポイントの2つ目には、システムを管理する責任者をきちんと決めておくことが挙げられます。
外部の専門業者に依頼するなどして導入するとしても、実際の運用をすべて任せてしまうとランニングコストがかかってしまいます。
チャットボットの発言内容は常に最新の情報にアップデートされていないと、ユーザーに対して誤った
情報を与えることとなってしまいますし、チャットはメール等と違ってユーザー側にログが残らないインターフェースがほとんどです。
時として他部署のメンバーとも連携して設定する必要性もあるので、効率的に運用できる体制を作ることも重要です。
3.段階的に、徐々に業務に導入していく
チャットボットを導入したとしても、必ずしも目的にフィットするとは限りません。
上手く機能しない場合ももちろんあり得るので、導入後の経過を観察しながら段階的かつ徐々に業務に導入していくことが望ましいです。
チャットボットの起動数や会話のログ、ユーザーが目的を達成できたかどうか、チャットボットとの会話から離脱してしまうケースなど、実際のユーザー体験がどうであったかを確認できる機能が備わっている場合、内容を確認して手を加え、「育てていく」ように運用します。
チャットボットがサイト訪問ユーザーに受け入れられ、機能するかどうかは担当者のユーザーインサイトにかかっていると言っても過言ではありません。
最後に
WEB接客にチャットボットを導入するメリット、チャットボットの類型とその特徴などについてお伝えしました。
LINEなどに代表されるチャットツールはすでにユーザーの生活に浸透しており、コミュニケーションの形態として電話や、メールを凌駕する存在です。
そのほとんどのユーザーが慣れ親しんだインターフェースをうまくWEB接客に落とし込んだのがチャットボット。
アイデア次第で様々なおもてなしが出来るので、WEB接客ツールとして一度検討してみてはいかがでしょうか。