BLOG

広告

公開日:2017.11.24 最終更新日:2020.11.13

校正と校閲 不動産広告の場合

はじめまして。不動産プロモーション事業部・アシスタントの島田です。

2つ前のエントリーで、制作の横田が「自分が長く続けているもの」について書いていたので、私も便乗(笑)。
彼女ほど長くはないですが、私は3年半。なるべく毎日読んだ本について、読書系のSNSで短い感想を書くこと。
とはいえ大半はマンガ。「鬼灯の冷徹」大好きです。でも最近は小酒井不木にもハマりました。
そしてこの間遂に、電子書籍購入数累計2,100冊を超えてしまいました( ゚д゚)
でも4割方積読です。

で、今回のお話ですが、この積読本の中に、宮木あや子さんの小説「校閲ガール」がありまして。
セールで買ったというのが主な理由ですが、何よりも「校正」は私の業務の中の一つ(というかメイン)だからです。
校閲?校正?あれ、どっちだっけ。

校正と校閲

去年秋、この本がドラマ化され、にわかに注目される事となった校閲という職。
はて、校正との違いは?というのはネットで探せば色々出てくると思います。

校正とは、ある原稿とその前の段階の原稿を比較して誤りを指摘し、正す作業です。
原稿の文章が次の文章に正しく反映されているかに加え、初校に入れた赤字が再校に正しく反映されているか、再校に入れた赤字が三校に正しく反映されているか……を、前の段階の原稿と見比べて、ミスがないか確認します。

校閲とは、原稿の文章の内容に誤りがないか確認し、誤りを正す作業です。
「素読み」を行うことで誤字脱字や表記の統一、前後で矛盾がないかを調べます。
たとえば、前のページで「さまざま」とひらがなで表記されていたのに対し、後のページで「様々」と漢字に変換されていたとします。すると、原稿の中でひらがな表記と漢字表記のどちらが多いのかを調べ、多い表記に統一するよう提案します。
さらに「事実確認」を行うことで、年号や地名、人名など、原稿に書かれている内容の正確性を確認します。

ざっくり言うと、校正は原稿を照らし合わせての誤字脱字チェック。
校閲は内容の正誤や矛盾も検証します。

で、私の場合、というか不動産広告、当社アドコミではどっちなのか。
個人的に言うと「校正」に近いと思っています。実際社内でも「校正」の言葉が飛び交っています。
とはいえ、何も誤字脱字チェックだけが校正ではありません。
地図に載せた銀行やスーパーが、実は閉店していた。なんて事はないか?
数ヶ月後から販売スタートする分譲地、この時の消費税は8%?それとも10%?…etc.
不動産広告では「校閲」とは別の意味での、誤字脱字よりももっと踏み込んだチェックが必要なのです。

このコピーは正しい?

ここで一つ、不動産広告によく見る文言を出して、クイズめいたものを。

とある中古マンションがあります。このマンションの5階建て最上階の一室を売ります。
周辺に高い建物はなく、バルコニーは南向き。日当りも良いです。
そこで、こんなコピーが作られました。

「最上階南向きバルコニーで日当り抜群!」

このコピー、間違いが1ヶ所あるのです。そこは一体どこでしょうか。

不動産の広告にはルールがあります。
不動産公正取引協議会が定めた規約「不動産の表示に関する公正競争規約」の第18条にこう書かれています。

事業者は、次に掲げる用語を用いて表示するときは、それぞれ当該表示内容を裏付ける合理的な根拠を示す資料を現に有している場合を除き、当該用語を使用してはならない。この場合において、第4号及び第5号に定める用語については、当該表示内容の根拠となる事実を併せて表示する場合に限り使用することができる。
(1)物件の形質その他の内容又は役務の内容について、「完全」、「完ぺき」、「絶対」、「万全」等、全く欠けるところがないこと又は全く手落ちがないことを意味する用語
(2)物件の形質その他の内容、価格その他の取引条件又は事業者の属性に関する事項について、「日本一」、「日本初」、「業界一」、「超」、「当社だけ」、「他に類を見ない」、「抜群」等、競争事業者の供給するもの又は競争事業者よりも優位に立つことを意味する用語
(3)物件について、「特選」、「厳選」等、一定の基準により選別されたことを意味する用語
(4)物件の形質その他の内容又は価格その他の取引条件に関する事項について、「最高」、「最高級」、「極」、「特級」等、最上級を意味する用語
(5)物件の価格又は賃料等について、「買得」、「掘出」、「土地値」、「格安」、「投売り」、「破格」、「特安」、「激安」、「バーゲンセール」、「安値」等、著しく安いという印象を与える用語
(6)物件について、「完売」等著しく人気が高く、売行きがよいという印象を与える用語

ですので「日当り抜群」の言葉は使えません。この場合は「日当り良好」とするのです。

例えお客様より戴いた原稿でそのまま「日当り抜群」と書かれていたとしても、デザインを校正する上で不動産公取のルールを守っているかのチェックも必要なのです。
いくら文字が正しくても、このルールを守れなければ、誤字以上の間違いになりかねません。
当社ではこのような不動産公取のルールに準えたチェックが可能です。

他にも不動産広告には注意しなければならないルールは色々あります。
時折、ブログでこのお話が出来ればと思っておりますので、宜しくお願いします。

アイコンサイト内検索

アイコン関連タグ

お問い合わせCONTACT

お見積もりのご依頼やご質問等、お気軽にどうぞ。